
米国内では商品コードや流通コードは、ANSI(アメリカン・ナショナル・スタンダード・インスティチュート)規格によって運用されている。一方、ヨーロッパ連合ではEDIFACT(エレクトロニック・データ・インターチェンジ・フォー・アドミニストレーション・コマース・アンド・トランスポート)規格によって運用されているので、双方の輸出入業務には多くの無駄な時間と労力とお金が費やされていることに気づき、現在ではVICS(ボランタリ・インタインダストリ・コマース・スタンダード)プロジェクトを結成してUN(ユナイテッド・ネイション)/EDIFACTの共通規格制定に向けて活動中であることが、リーバイストラウス社の説明で判明した。そして、リーバイストラウス社の実績によると、導入当初は売上げに対するEDIコストは約3%であったものが、現在では0・3%までに低減化され、EDI利用率は80%以上になっているとのことである図これは日本の産業界にとっても大変参考になる導入事例になると思う。
(3)CIMの再構築
CIMは日本においては一過性の流行語のような捉え方をしている傾向があるが、米国では製造業の基幹システムとして捉え、ソフトウェアの開発やインターネットを導入することによって、アジャル(俊敏で機動力のある)生産方式を確立しようとしている。クライスラー社やデーナ社では三次元ソリッドモデリングをトータルライフサイクルのベースに置いて展開しようとしている。以上、いくつかの切り口から説明したが、インターネット/イントラネットを導入するには明確な企業の戦略が存在していることがわかる。そこで、国際IE会議に発表された論文や訪問企業の説明などを総合するとつぎのようになる。
(4)インターネット/イントラネット導入戦略
1)顧客とディストリビュータに対するコミュニケーション
2)サプライヤとベンダーに対するコミュニケーション
3)外部の組織とのコミュニケーション
4)組織内のコミュニケーション
5)アウトサイダーとのコミュニケーション
などとまとめることができる。
2.2 コアビジネス、コアテクノロジ戦略
今回訪問した企業の中では、コアコンピタンス(基幹競争力)戦略と言っているところもあったが、アジャル・エンタプライズ構築には不可欠の戦略と位置づけている。とくに、ノースウェスト・エアライン社の新社長ジョン・H・ダスバーグ氏の基調講演で述べられたノースウエスト・エアライン社のリストラ成功の鍵は、まさにこの点にあったことを確認した。
前ページ 目次へ 次ページ
|

|